大判例

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東京高等裁判所 昭和40年(ネ)829号 判決

〔証拠〕を総合すると、被控訴人の前身である築地北魚株式会社は昭和二八年三月三一日控訴人の前身である魚河岸信用組合に対して、訴外東京魚市場生販株式会社が同日現在で右魚河岸信用組合に対して金五百三十一万七千五百円の手形借入金債務を負担していることを確認し、築地北魚株式会社は同日この債務を重量的に引受けたが、当時その経営状態は悪く即時これを支払うことは不可能だつたので、当時その弁済期を定めることなく、五年位経過すればその経営状態も立ち直ることが予想されたので昭和三三年三月三一日迄にその支払方法について双方の間で協定することを約したが、その後右昭和三三年三月三一日迄に右協定は成立するに至らなかつた事実を認めることができる。したがつて、被控訴人の右引受債務は同年四月一日以降は期限の定めのない債務となつたのである。

つぎに、被控訴人が引受けた右手形金借入債務が時効によつて消滅したかどうかを判断する。

被控訴人が本産物およびその加工品の売買および取次を業とする会社であることは当事者間に争のないところであるから、被控訴人がその営業のためにしたと推定される本件引受債務は五年の商事時効によつて消滅するものである。ところで消滅時効の起算点は、返済期の定めのない消費貸借上の債務については、貸主は何時でも「相当ノ期間ヲ定メテ返還ノ催告ヲ為ス」ことによつて(民法第五九一条)その権利を行使し得るのであるから、この催告をしないでいるときでも貸借成立のときから相当の期間を経過した時であり、貸借成立のときから相当の期間を経過した時点からその消滅時効は進行すると解すべきところ、被控訴人の本件引受債務は昭和三三年四月一日期限の定めのないものとなつたことは前に認定したとおりであり、長くともその後一ケ月を経過することにより右法条に規定する相当の期間を経過したものというべきであるから同年五月一日を起算点として五年を経過した時、すなわち遅くとも昭和三八年五月一日までには時効の完成によつて消滅したものというべきである。

(小沢 鈴木信 館)

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